味の素 〜使へば まづい物 なし〜



「あー!! 味の素がお供えしてある! 好きやったもんなぁ!!」



東京三鷹へ太宰治の足跡巡りに行ってきました。


夏休みの最終日。

抜けるような青空、強い風、暑い!

2時間50分のおすすめコースを4時間ほどかけて周りました。

コースの最後に設定されていたのは禅林寺、太宰治と森鴎外のお墓があるお寺です。


こじんまりした墓地、足元では元気な雑草がふくらはぎを引っかきます。

今回の旅の提案者、友人の高校一年の娘さんはスカートです。

「かゆいー!」と声を張り上げながらも果敢に先頭にたって太宰の墓碑を探します。


あ、あった!




そして、冒頭のセリフ。太宰ファンの娘さんが発したものです。

写真の右端、小さな赤いものが見えますでしょうか?

お酒と一緒に供えられていたのは、味の素でした。


太宰治は味の素が大好きで、何にでもふりかけていたそうです。

思い起こせば、大正生まれの祖父も味の素のヘビーユーザーでした。

時代のせいかもしれません。



中国では、うま味調味料のことを


味精 wèijīng

精 : 精製された・エッセンス


と言います。

プロのシェフの料理番組でも結構大胆に投入しているので、驚きます。


中国語のサイトで「味の素」の起源が紹介されていました。

読んでみます。


「池田菊苗博士が昆布から旨味成分を抽出し…」

ーーーーなるほどなるほど


「ついに製品が完成し、浅草の店舗に姿を現したのだ。」

ーーーー……浅草の店舗?えらく具体的な…。


「彼らは大々的に広告を打った。キャッチフレーズは“家有味之素,白水变鸡汁”。たちまち評判は評判を呼び、店舗には人が溢れかえった。」

ーーーー”家に味の素があれば、白湯がチキンスープに変わる”

    え? 昆布だしでチキンスープ??



にわかに情報が疑わしくなってきました。

味の素®の公式ホームページで発売当時のエピソードを探してみましょう。

味の素®は全く新しい商品だったため、さまざまな広告方法を凝らして普及に努めたのだそうです。そのうちの一つがこちら


「 お 椀 が 出 て き て 湯 気 が 立 ち 、 お 椀 の 中 に『 味 の 素 』を 入 れ る と 子 供 が よ だ れ を た ら す 」 と い う イル ミ ネ ー シ ョン 看 板 を 設 け た 。 

https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/aboutus/history/story/02/


…これの事かなぁ?


美味しい汁物 = チキンスープ


中国の人々に伝わりやすくするために情報を調整したのかもしれません。

翻訳で悩ましい箇所でもあるな、と思いました。


ただ「浅草で発売開始」との記述は

同社のホームページでは見つけられませんでした。














中国語感

中国語の、翻訳通訳をしています。 中国語の単語や文章から 日本語とは明らかに違う、中国語感覚 <中国語感>を探っていこうと思います。

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